「フォークリフト事故の事例から分かる危険と対策」第2回:フォークリフト事故の危険性
フォークリフトによる危険を回避するため、実際に起きた事故の事例から分かる対策方法まで、3回に分けてご紹介させていただいています。
第1回は 「フォークリフトの事故事例と原因」
第2回は「フォークリフト事故の危険性」
第3回は「フォークリフト事故の予防と対策」についてご紹介しています。
今回、第2回は「フォークリフト事故の危険性」です。
フォークリフトの事故件数
みなさんフォークリフトによる事故は、年間どのくらい起こっているか知っていますか?
フォークリフト事故件数は、2018年の労働災害統計によると2113件で、内26件が死亡事故です。
毎年フォークリフト事故件数は2000件前後、死亡事故件数は30件前後で推移しています。
フォークリフト事故を型別にみると、「挟まれ・巻き込まれ」「激突され」が全体の約2/3を占めています。
では実際どのような状況で事故は起きているのでしょうか?
実際の事故事例を見てみましょう。
実際の事故事例
■一般貨物自動車運送業 70代 作業者・技能者 平成26年9月
同僚がフォークリフトで荷下ろし作業中、同リフトの後方にいたところ、 同僚がフォークリフトを後退させた際に接触し死亡した。
(大阪労働局・各労働基準監督署)
■港湾荷役業 50代 フォークリフト運転士以外の者
岸壁へフォークリフトを誘導していたところ,背後から走行してきた貨物運搬中の別のフォークリフトにひかれ死亡した。
(鶴見労働基準監督署)
■梱包資材製造業 50代 作業者
雨天時、屋内作業場で被災者がトラックへ古紙の積み込みを行うため、荷台の扉を開けていた。
近くでフォークリフトによる荷物移動を行っていた作業者は、被災者のトラックを視認したが、人の姿は見えなかったためフォークリフトを後退させた。
トラックの荷台の側にいた被災者はフォークリフトとトラックの間に挟まれ、死亡した。
(職場の安全サイト)
死角と後退時の危険性
フォークリフト運転時には、多くの死角が潜んでいます。
フォークリフトのお尻部分であるバランスウェイトでは、荷役できる最大荷重に見合ったおもりを積んでいるため、大きいフォークリフトほどバランスウェイトも大きくなり、さらに死角が増えることになります。
そして、前方の荷物はもちろん、何も持っていない時でもマストが思いのほか視界を遮るため、死角の原因となります。
また、リーチフォークリフトは左半身寄りで乗車するため、バック走行時の「右後方」が特に死角となりやすいです。
このように、フォークリフトの運転時は、どうしても視野が限られてしまうため、死角が増えます。
確実に安全確認を行ったつもりでも、目で見える範囲のみに留まってしまいがちなのです。
さらには、フォークリフトは前ではなく後ろのタイヤが動くため、乗用車と動きが違い、動きの想定が難しくなるという難点もあります。
死角と後退時の危険性について、ご理解頂けたでしょうか。
次回、第3回は「フォークリフト事故の予防と対策」について紹介していきたいと思います。
また、第1回では「フォークリフトの事故事例と原因」についてご紹介していますので、合わせてチェックしてみてください。
さらに東海クラリオンの、フォークリフト用360°安全確認カメラシステム「3DAVM」もぜひチェックしてみてください!