2024.10.08
《導入事例紹介》【A-CAM トレーラー用】村山運送 株式会社様
《企業情報》2024年9月時点
会社名 | 村山運送株式会社 |
創立 | 1982年3月 |
本社所在地 | 東京都江東区有明4-8-6 東京港フェリーターミナルビル4F |
資本金 | 2000万円 |
車両保有台数 | 海上コンテナ積載トレーラー14台(うち予備車2台) |
事業内容 | 関東圏内-福岡間のフェリー貨物運送 (食料品及び飲料製品、建設部材、生活雑貨、紙、化成品) |
《車両使用環境》
運行体制 | ドライバー1名に対して車両1台 |
走行ルート | 有明港(東京湾フェリーターミナル)から関東圏内の倉庫を往復・巡回 |
ー 導入台数
12台
ー 導入機器
トレーラー向け巻き込み警報カメラシステム A-CAM (CS-6121TS)
ー これまでの安全対策
株式会社商船三井様、株式会社商船三井さんふらわぁ様の安全会議に出席し、全国の事故事例を用いた安全教育を実施している。
ー 導入前の課題
海上コンテナ積載をするトレーラーは、船で運んできたコンテナをシャーシごと切り離し輸送するため、車両後方部に安全機器を取り付けることができず、死角の安全確認はドライバー自身の運転感覚に頼っている面があった。
実際に以前、湾岸道路を走行する際にバイクや自転車に対してヒヤリハットが起きた事例があり、安全対策の強化に取り組む必要性を感じていた。
死角による事故の対策について強く意識し始めたきっかけは、2024年初めに起きた大型トラックによる巻き込み事故だ。この事故は、10tの大型トラックが左折時に人と接触、トラックドライバーは人を巻き込んだことに気が付かず、数百mの距離を引きずった、という内容だった。ドライバーが「縁石に乗り上げたと思った」と報道されたニュースを見て、10tの大型トラックでも人を巻き込んだことに気づかないことに驚愕した。
20tを超える大型トレーラー。事故を起こしたトラックよりもリスキーな20tを超える大型トレーラーを取り扱うことの重大さを痛感し、被害者家族の気持ちや従業員であるドライバーを加害者にさせたくないという思いは、事故をより間近に感じさせ他人事ではないと強く意識させた。
ー 選んだ理由
「A-CAM」は、歩行者や2輪車、自動車のカタチをした対象を検知して、注意喚起してくれるところが優れている。超広角レンズにより後方約20mまで確認できるモニター映像と移動する対象を追尾して警告表示する機能は、ドライバーが周囲の状況を把握しやすく、事故リスクを大幅に減少させることが期待できる。死角による事故を防ぐためには、視覚的な確認が非常に重要であり、「A-CAM」の導入はその点で非常に有効だと感じた。
新車にはミリ波レーダーを用いた側方衝突警報装置が標準装着されているが、掲示物や建物に対しても反応してしまう上、死角の見える化もできない。
注意喚起をして安全確認を促すシステムは、時間経過とともにドライバーに慣れが生じ、安全確認を怠るケースが出てくる。「A-CAM」は、カメラ映像をモニターに表示できるため、ドライバーは実際の走行環境を視覚的に把握でき、注意喚起に頼るだけでなく、自らの目で確認することで安全確認を徹底することができる。
また、導入検討時に約3か月間のトライアルを実施し、走行ルートやドライバーの年齢などが異なる3名のドライバーが運転するトレーラーに装着してデモ導入をした。ドライバーからの意見を頻繁に聞きながら仕様調整ができたため、スムーズに導入できた点もよかったと思う。
ー 導入後の効果
1. 死角の「見える化」
モニターでカメラ映像を確認できるようになり、死角が「見える化」される。
2. 事故の減少
昨年一年間の後突事故件数:5件
↓「A-CAM」導入後
半年間の事故件数:0件
3. 夜間の視認性向上
「A-CAM」は赤外線を搭載しているため、夜間時も車両側方の映像を鮮明に映し出される。
実際に、夜間走行中にミラーでは確認できなかった自転車を、「A-CAM」の警告音でモニターを確認することで発見した事例があった。
4. 雨天時の安全確認
レンズに水滴が付きづらい構造になっているため、雨天時の安全確認にも役立つ。
水滴が付いた場合もすぐに落下する構造のため、モニター映像に影響が出づらく、想定されていた補助効果を実感している。
ー 「投資」ではなく、「保険」として 全車両への導入に対する思い
今回の「A-CAM」導入を「投資」ではなく、「保険」のような位置づけであると捉えている。万が一、トレーラーで大きな事故を起こしてしまった場合の損害は、会社だけでなくドライバーの人生にも大きなダメージを与える。
経営者として、ドライバーが事故を起こさないためのツールを導入するのは、会社やドライバーを守るために必要不可欠な判断である。そのため、事故発生時リスクと安全機器導入コストを比較検討した結果、事故を防ぐための「保険」として「A-CAM」を導入した。
運転における最終的な判断は、ドライバーに依存するため、ドライバーがどれだけ高い安全意識をもって運転できるかが重要である。そのため、ドライバーが常に安全意識を保持できるようサポートするツールとして「A-CAM」を活用しようと思う。
ー これからの課題
交通事故はトレーラーのドライバー側だけでなく、周囲を走行する車両が原因になることも少なくない。ドライバーはそうした巻き込み事故を回避するのに苦労するが、「A-CAM」のようなテクノロジーを活用しながら対策をとり、無事故運転を続けていこうと思う。
また、業界的な課題でもある、ドライバーの高齢化が進んでいる中で、若手の採用にも力を入れていきたいと考えている。現在、所属している最高齢のドライバーは70歳代である。牽引車両の運転は特にスキルが必要になるため、早めに採用して育成していこうと考えている。新人ドライバー育成の面においても、「A-CAM」のような安全装置を積極的に採用しているという点がアピールポイントになってくれるかと期待している。