2021.06.15
【食中毒ってどんなもの?】基礎知識と予防法まとめ
食中毒が怖い季節になってきました。
美味しいものを食べたつもりが、次の日にお腹が痛くなる
場合によっては、重症になったり、命を落とすこともある食中毒。
食中毒って何?どうして食中毒になるの?防ぐには?…
今回は、夏に向けて知っておきたい食中毒の基礎知識と予防法について詳しく見ていきたいと思います。
目次
- そもそも食中毒ってどんなもの?
- 食中毒の原因と分類
- 食中毒の種類と症状
- 予防と原則
- まとめ
1.そもそも食中毒ってどんなもの?
食中毒とは、原因となる有毒や有害物質が付着した食品を食べることで引き起こされます。
腹痛や発熱、・下痢・嘔吐などの症状が現れることが多く、時には重症化することもあるとてもこわい病気です。
2.食中毒の原因と分類
食中毒の原因は、大きく細菌とウイルスに分類されます。
■細菌性食中毒
・感染型
食中毒菌が食べ物の中で増殖し、それを食べることで発症する。
ex.サルモネラ菌、病原性大腸菌、カンピロバクター、ウエルシュ菌
・毒素型
食中毒菌が増殖しながら産生した毒素が原因となり発症する。
ex.黄色ブドウ球菌、セレウス菌、ボツリヌス菌
■ウイルス性食中毒
ウイルスに汚染された物を食べることで発症する。
また、人の便や嘔吐物から感染することもある。
ex.ノロウイルス
3.食中毒の種類と症状
それぞれの食中毒菌について詳しく見ていきましょう。
・サルモネラ菌
主に動物の腸の中にいる細菌。
原因食品は食肉・卵などで、悪寒・吐き気・嘔吐・腹痛・下痢などの症状を引き起こす。
・病原性大腸菌
O157やO111でよく知られている細菌で、死亡事例が最も多い。
加熱の不十分な肉などによって発症し、嘔吐・腹痛・発熱・鮮血交じりや水のようなを下痢を引き起こす。
・カンピロバクター
主に動物の腸の中にいる細菌。
鶏肉の加熱不足による発症が多く、頭痛・発熱・倦怠感・筋肉痛・吐き気・水のような下痢を引き起こす。
死亡事例は稀で、自宅安静で完治することが多い。
・ウエルシュ菌
人や動物の腸管内や、土壌、水中など自然界に広く生息する細菌。
カレーや煮魚など煮込み料理による発症が多く、腹痛・腹部膨張感・下痢などの症状を引き起こす。
症状は軽いことが多い。
・セレウス菌
土壌、水中など自然界に広く生息し、農作物を汚染する細菌。
増殖の際に作る毒素によって嘔吐型と下痢型に分かれ、日本では嘔吐型が多い。
チャーハン、スパゲッティ、スープなどによる発症が多く、腹痛・腹痛・吐き気・下痢などの症状を引き起こす。
熱に強いため、通常の加熱では殺菌できない。
・ボツリヌス菌
土壌など自然界に広く生息し、瓶詰・真空包装食品・缶詰など、酸素のない環境で増殖する。
また、蜂蜜は内部が無酸素状態になりやすいため、乳児に与えると乳児ボツリヌス症を発症する危険がある。
脱力感・倦怠感・めまい・頭痛や、悪化すると、言語障害・発声困難・起立不能などの神経障害、呼吸困難などの症状を引き起こし、致死率が非常に高い。
・ノロウイルス
人の便や嘔吐物などから感染することが多く、腸の中で増殖する。
乾燥・加熱・アルコール消毒に強い。
腹痛・発熱・吐き気・嘔吐・下痢などの症状を引き起こす。
4.予防と原則
食中毒の予防には、原因となる物質が付着した食材を口にしないことが大切です。
食中毒予防の三原則を見ていきましょう。
■つけない
健康な人の手にも、様々な雑菌が付いているため、手を洗い、食中毒の原因菌やウイルスを食品に付けないようにしましょう。
■増やさない
食品に付いた菌を増やさないために、食材を常温で置いておかず、低温で保存するようにしましょう。
なお、低温でも菌は少しずつ増殖するため、早めに食べることが何より大切です。
■やっつける
食材や調理器具に付いているほとんどの細菌やウイルスは加熱で死滅させることができます。
食材の中心部を75℃で1分以上加熱が目安です。
5.まとめ
今回は食中毒の基礎知識と予防について解説しました。
食中毒の原因菌には様々な種類がありますが、予防の三原則が最も重要です。
基本的な予防をしっかりと行い、食中毒を起こさないように気を付けましょう。